屋根裏ネコのゆううつ IV

屋根裏ネコのゆううつ IV

intro

国連・異常環境および感染症対策特別調査団UNARK — United Nations Anomaly Response Keeper機密区分:内部参照限定対象: JA1334地点(旧XX県ハイネ市)に...
屋根裏ネコのゆううつ IV

look homeward, angel i

異変は、5年前から起きていた。消された認識が戻ったその時、人々はそれを目にしたのだ。街の上空を蓋のように覆う渦状の黒雲と、その中へ吸い込まれるようにして消えていく、巨大な丸い塊。岩か金属のようにも見え...
屋根裏ネコのゆううつ IV

look homeward, angel ii

ハイネ市の南西、閉鎖されたゲートからほんの100mほど外側の付近。「誰が「悪魔」だよ」ハッ、と陽気なハスキーボイスが、吐き捨てるように笑う。細めた青い右眼は、通りの端に立つ電柱に貼られた何枚ものビラを...
屋根裏ネコのゆううつ IV

look homeward, angel iii

5年前の、あの日ーー院内での長い検査が終わり、ガブリエルがようやく解放されて病室へ戻ったのは、もう夕方に近い時間だった。検査の間、小児科医であり彼の担当医でもあるアンドウ先生は、しきりに首をかしげてい...
屋根裏ネコのゆううつ IV

look homeward, angel iv

黒雲に覆われた街からは、鳥が姿を消していた。朝夕のほんのわずかな時間しか日の差さない、その暗さのせいだろうか。昼行性の鳥たちは、黒雲の下の街を、思うように飛ぶことすらできなくなってしまったのかもしれな...
屋根裏ネコのゆううつ IV

look homeward, angel v

国の非常事態宣言以降、完全にオンライン化された市内の小中学校には、月に一度、登校日が定められていた。それは強制ではなく、あくまで任意とされ、登校する・しないは、生徒ひとりひとりやそれぞれの家庭の事情に...
屋根裏ネコのゆううつ IV

look homeward, angel vi

ススガ丘学園大学、研究棟周辺の消された認識は、5年前のあの日、元に戻っていた。ニュータウンと呼ばれる、市北部のかつてのミドノ原エリアと同様に、だ。消された認識が戻るのは、能力の使用者が死亡した時。つま...
屋根裏ネコのゆううつ IV

look homeward, angel vii

静まり返った実験室の静寂を、こともなげに打ち破るのは、いつもの陽気なハスキーボイスだった。「んーまあ、それはさておいて、だなー」とても「さておいて」いいような話題ではなかったけれど、Lにとってはその話...
屋根裏ネコのゆううつ IV

look homeward, angel viii

5年前のあの日以来、「オレンジの海」は、つながらない。王であるキクタの意識空間であり、Lたち「4人の子供たち」をつなぐもの。それだけではなく、ルリとキクヒコ、それにルナとゲンゴロウ先生をもつないでいた...
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