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GW歴02年6月21日、午後6時30分・・・。
闇(R)は通常の3倍のスピードでくだらない雑用仕事を片付け、タイムカードを押した。
いつもならば、
バイトの女の子達のとりとめのないおしゃべりに付き合ったりもしているところなのだが、
その日ばかりは、そんな無駄な時間は1秒たりともなかった。
『お疲れ様っ☆』
短く言い捨てるなり、誰にも引き止める暇さえ与えず会社を飛び出していた。
いよいよ、
GWチャンピオンシップ近畿地区予選は明日に迫っている。
今頃、他のYummysメンバー達はすでにカ○トで合流し、
明日に備えて最後のデッキ調整に励んでいることだろう。
荒い息を吐きながらカ○ト6階へ到着した闇(R)を、
大阪Yummysガンウォーチームの精鋭たちが待っていた。
そして、もうひとり、
闇(R)を待っていた人物がいた。
闇の伝道師 『トゥ〜ン・シン』 その人である。
公式大会初参戦の大阪Yummysを率い、
自らも近畿ブロック予選に参戦するためにはるばるやってきたのであった。
GW公式チャンピオンシップ近畿地区予選参加メンバーは、
伝道師トゥ〜ン・シン、
黒単ウイニーで復活した黒い狂戦士・SIG、
サイコミュ使いのHIRO、
Yummys最強の漢・RICHI、
そして、我らが闇(R)、の計5名であった。
本番では、250人がふたつのブロックに分かれて戦うことになる。
これだけの大人数、まさかとは思うが
『神様、どうか潰し合いだけはご勘弁を・・・』
と、祈らずにはいられない闇(R)なのであった。
いつものように闘志を剥き出しにして挑戦してくる
黒い狂戦士SIGを軽〜く一蹴する。
ジェットストリームアタックは今宵も炸裂している。
豊富なGとユニットのおかげか、事故はほとんど起こらない。
あとはプレイングを磨くのみ、なのだが、
こちらはなかなか思うようにいかない。
黒三キャラの誰をどのユニットにセットするのがベストなのか、
どの順番でジェットストリームアタックをかけるべきなのか、
状況や相手のデッキタイプに応じてそれらは常に変化する。
その見極めが、いまだにつけられずにいる闇(R)なのであった。
それでも、イキオイだけで勝てることもある。
SIGとの対戦はほぼ、それに尽きると言っても決して過言ではないだろう。
しかし、
明らかに闇(R)よりもプレイングのセンスで勝っているHIROやRICHIを相手にした時には、
なかなか、イキオイだけでは勝たせてもらえないのもまた、事実なのであった。
ましてや、GWパイロットとしてのレベルでは闇(R)の遥か上をゆく
伝道師トゥ〜ン・シンが相手では、とてもイキオイだけでなど勝てるはずもない。
SIGとのデモンストレーションを終えた闇(R)を、
その、トゥ〜ン・シンが呼んでいる。
『いよいよネ★』
と、闇(R)は背中を戦慄が走りぬけるのを感じた。
いよいよ、
伝説のデッキ『カウンター・サザビー』と対戦する時が来たのだ。
緊張の面持ちで伝道師の前に座る闇(R)は、
まるで祭壇に捧げられた生贄の羊のようである。
そんな闇(R)の心中など知ってか知らずか、
伝道師トゥ〜ン・シンはいつものペースで静かにデッキをシャッフルし続けている・・・。
お互いのデッキをシャッフルし、いよいよデュエルスタート。
先攻は闇(R)、手札はそれほど悪くはない。
Gをセット、ユニットはリロールイン・ザク。
攻撃を忘れてエンド宣言しそうになったが、
その前に伝道師の手が本国から捨て山にカードを1枚素早く落とした。
そして、伝道師トゥ〜ン・シンのターン・・・。
セットされたGを見て闇(R)は愕然とする。
『青G・・・』
カウンターサザビーでは、ない。
とすると、ZZだろうか、それとも・・・。
答えはすぐに、伝道師の手札から出された。
プロトタイプガンダム(SP-15)、そして、ボール改修型・・・。
連邦ウイニーである。
『まずい、まずいわ〜・・・』
思わずつぶやく闇(R)。
3国力からユニットに黒三キャラをセットすることで動き出す闇(R)の黒三デッキに対し、
連邦ウイニーは1国力から回り出す。
ユニットもキャラクターも、そのほとんどが1国力圏で統一されているのだ。
何よりその早さが違う。
あれよあれよと言う間に低国力の青ユニットが場に並び、
パイロットの現地徴用(O-2)で捨て山からキャラクターが発掘される。
黒三セット前に主要ユニットをスナイパーカスタムの効果で焼かれ、
まさに、手も足も出ない状態であった。
あっと言う間に、2タテ負けである。
『こんなの勝てるワケないぢゃないのよぅ〜・・・』
半泣きの闇(R)であった。
黒三兄弟ウイニーは早い、と闇(R)は思っていた。
キャラが乗るのは確かに3ターン目からだが、
リロールインの1〜2国力ユニットが中心である。
1ターンめ、2ターンめから確実にダメージを与えることができるのだ。
しかし、伝道師の青ウイニーはそのダメージを逆に利用している。
ダメージ分の捨て山から、必要なキャラクターをいくらでも拾い出せるのである。
青には低国力の優秀なキャラクターがいくらでもいる。
結果、豊富な低国力ユニットと、それに乗る低国力のキャラクターが
いともたやすく手札に揃う。
そこに伝道師トゥーン・シンの華麗なプレイングが加われば・・・
どうなるかは想像するに容易い。
とても付け焼刃の闇(R)などがかなう相手ではないということだろうか・・・。
闇(R)は、イヤな負けムードを引きずったまま・・・
あっと言う間にカ○ト閉店の時刻を迎え、
一行は戦場を後にし、お決まりのトリ屋へとなだれ込む。
トリ屋では、明日への緊張の為か
皆、ハイペースで飲みまくり、異様な盛り上がりの中、
決戦前夜は更けてゆく・・・。
唯一の家庭持ちである闇(R)は途中、終電前には席を辞したが、
他のメンバーたちは、『ホテルHIRO』に泊り込み、
予選に備えてのデッキ調整は未明まで続いたと言う・・・。
もはや泣いても笑っても、
決戦の時は刻一刻と迫っていた・・・・・・。
<次回予告>
伝道師に敗れ、家に帰るなりフテ寝した闇(R)・・・。
明け方までデッキの最終調整に余念のなかった
他のメンバーたち・・・。
それぞれの思惑を胸に、ついに決戦の日を迎える!!
次回 『闇(R)、行きま〜す』 第23話 “スクランブル!”
・・・キミは生き残ることができるか・・・
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